「NIKE」(ナイキ)のスポーツシューズは、バスケットボールの人気選手マイケル・ジョーダンが愛用したことによって、世界中にひろまった。それなら、さぞかし、ジョーダンはナイキがお気に入りだったのかというと、意外や意外。ナイキから宣伝のための契約をもちかけられるまで、ナイキのシューズを履いたことはなかった。試合のときに彼が履いていたのは、ノースカロライナ大学のユニフォームブランドだったゴンパーズのシューズ。練習のときに履いていたのは、アディダスのシューズだった。彼は、自分で「アディダスナッツ(アディダス信者)」というほど、ウェアからシューズまで、アディダスの製品を愛好していたのである。だが、ナイキのバッカーロが、それを承知のうえで、ジョーダンのカリスマ性と将来性に賭けて、多額の契約金と引きかえに、ナイキのシューズを履く契約をもちかけた。ジョーダンは、はじめ二の足を踏んだが、1984年10月、ナイキの熱意に押しきられて契約。ナイキが彼のために用意したシューズは、当時の定番だった白いシューズとは異なる赤と黒という配色。ジョーダンはそれを「悪魔の色だ」といったという。しかし、ジョーダンがその派手なシューズを履いて出場すると、ファンやマスコミの注目を集めた。NBAは、そのシューズは「ユニフォームの統一性に関する規約」に違反しているといい、「ふたたび履けば1000ドルの罰金を科す」と警告した。にもかかわらず、ジョーダンはそのシューズをまた履いて出場。チームは1000ドルの罰金を払わなければならなかったが、ナイキのシューズはますます注目された。「エアージョーダン」と名づけられたシューズの売り上げは、1年間で1億ドルにのぼったといわれている。