私は裸で暗黒のなかに立ち尽くしている。次に消えるのは私自身だ。私の肉体が消える番だ。それにしても本当の私はどこにいるのか、と思う。私が帰る家はどこにあるのか。この家でいいのか、違うのか。家とはそもそもなんなのか。家が家でないとしたら、家とはどこにあるのか。私か私でないとしたら、私とはどこにいるのか。目が覚めると寒さは消えていた。夕暮れだったのでお決まりの猫の散歩に出かけた。しかし途中で私は気分が悪くなり、道路に吐いた。その嘔吐物をサピーはなんと食べた。汚い。それを怒る気力もなく、ずっと座って泣いていた。夕食の時、私の顔色を見て養母が理由を訊ねた。私は昼間寒くてバイトを休んで寝ていた、と答えた。そして少し吐いた、と。養母は私に夜間病院に行くよう促した。養父が病院まで車で送ってくれた。その日は血液検査だけすることになった。然もないし、喉も腫れていないので風邪ではないでしょう、と医者は言った。