建具の高さに無頓着なマンションは、住戸の中に入った第一印象からして台なしだ。玄関ドアを開けると、目の前に一直線に伸びるのは薄暗い廊下といった具合で、その味気ない光景にがっかりさせられることは多いのだが、さらにそれに追い打ちを掛けるようにギョッとさせられることがある。廊下に面した寝室やトイレといった各部屋への入り口のドアの高さが統一されていなくて、見るからにデコボコしたマンションがあるからだ。こういった光景を目の当たりにしただけで部屋の中を見て回ろうという気力が萎えてしまう。廊下に面した各ドアの高さは、廊下の天井の高さに合わせて統一されているべきだ。廊下の天井高は最低でも二・一メートルはあるだろうから、ドアの高さも二・一メートル、ということになる。多少妥協したとしても、廊下の天井高よりも一〇センチメートル低い高さのニメートルまでが限界で、それ以下になると、ドアだけでなく部屋そのものがどうにも貧相なイメージになる。けれども実際には、高さが一・九メートル程度しかないドアをよく目にする。やはりそういうマンションは、一事が万事で、ほかの部分にも、建物としてグレードの低さが目立つのだ。