遺伝子に責任を持つことも知ることも普通は出来ない

2012.02.06

遺伝についての質問を受けたとき、臨床医としては、事実の説明のほかに、患者さんがどのような気持ちでそれを聞いているのかについての判断が必要です。子どもに対する影響を心配しているのか、妊娠についてどうしようか迷っているのか、あるいは自分の運命について覚悟を決めようとしているのか、等々。それによって答え方を工夫する必要があります。事実を曲げて伝えることは許されませんが、場合によっては直接その質問には答えず、そうした患者さんの気持ちについて医師の方から逆に問いかけ、それをまずはっきりさせることが必要な場合もあるのです。その上で、正確な答えを伝える必要があるかどうかを判断します。もちろん、問いに対して直接、正確な事実をもって答えるのが適当な場合もあります。「原因は?」「遺伝が関係しますね。遺伝と言っても必ずしも親がその病気だったということではなく、もって生まれた遺伝子という意味ですね。」以前、保健所で、家族を対象とする二週連続の健康講話を受け持ったことがありました。